この旅のきっかけは、一冊の本だった。
韓国ドラマにハマってからというものの、1年ぐらい本を読むことから遠ざかっていたのだが、新聞の書評のコラムでみつけて、近所のリニューアルした図書館へ。
『やさしい猫』(中島京子著)
ん?猫の話?
それが、今のところ猫の話は全く出てこない。本のタイトルだけでは想像もつかない日本の入管制度、外国人労働者への差別について描かれた小説。
被災地ボランティアで出会ったスリランカ人男性とシングルマザーである日本人女性の恋愛、結婚をめぐる物語で、「入管法違反」「強制退去」「在留期限」など、なかなか普段知ることがない問題なのにも関わらず、その日本人女性の娘のマヤちゃんの目線で書かれているので、とっても読みやすい。
まだ、読了していないのだけれど、スリランカという国は以前、電車周遊のひとり旅を検討した時に私にとってウズベキスタンと同じくらい魅かれた国。
でもって、この本にはスリランカ料理の話もたくさん出てくるのだ。
さらにその主人公スリランカ人のクマさんこと、クマラさん。
日本へやってきて一番最初は北関東のとある街に住み、スリランカ人の仲間もこの街にたくさんいるという。そう言えば群馬や栃木などたしかハラルフードのスーパーマーケットが多いと聞いたことがある。
その情報だけで、もう・・・・・
私は本の中へ思いを寄せる。
そしていけない癖というか、性分なのか、
どんどん飛躍する。
連休初日の明日は休み。予定は何もない。旦那さまは仕事・・・・・。
行っちゃう?
Google先生、「北関東で美味しいスリランカ料理」お願いします!
(コロナ前だったら、そのままスリランカ旅行計画だったかも 笑)
我ながらこういう時の自分の下調べ能力と、行動力は全く衰えていない。
早速、栃木県足利市に素敵なお店を発見し、昨日の朝、自宅を出発。
写真は雨の両毛線。
久しぶりの国内どんぶらこ。
足利駅から、アシコタウンというショッピングモールまで定期バスが出ているらしいのだけど、よくわからないし、雨ザーザーだし。
大奮発してタクシーに乗った。
(1300円なり。)
アシコタウンのカインズホームでおろしてもらい、裏の道をわたった住宅地、こんなところに?っていう下調べどおり、お店を発見!
この時の感覚は、地球の歩き方を片手に外国に行って街歩きする気持ちとまったくいっしょなのでした。
「シナモンガーデン」さん、
到着。
4時間近くかかってたどり着いたから、なんだか感動しちゃいます😢
検索した時に真っ先に目にとまったこの素敵な外観。
もともとは、お花屋さんだったとか。
異国感があるなぁ。
ランチタイムを大幅に過ぎていたし、けっこうな雨で。
誰もいないから、もしやここまで来て・・
と思ったら、スリランカ人のオーナーと思しき方が笑顔で迎えて下さいました。
「ランチいただけますか?」
「もちろんです、雨の中ようこそ。」
スリランカ料理は、はじめて。
なので定番のランチプレートをチョイス。
カレーは選べるのですが、無難なチキンに。
オーナーさんが、ごく自然に日本語を話される方なので、ひとりで行っても安心。
「東京から来ました。」というと、ビックリされてましたが、
偶然、私の住む地域に長いこと住んでいたそうで、ローカルな話題で盛り上がる~♪
「この間**駅、久しぶりに行ったら、ケンタッキーとかミスドか出来ててびっくりですよ」
なんてことを話すお顔はスリランカの人だから、私は大喜び(^^)/
そうかと思えば、この木のテーブルは、群馬県桐生市から木材を運んで自ら手作りされたそうで、お店に対する熱い思いも聞けました。
日曜日は、ブッフェの日。
ここにブッフェスタイルのお料理が並ぶそうです。
オクラやインゲン、野菜やお豆が少しずつのったプレートがきました😊
そう!
まさにこういう ↑ 私の食べたかったスリランカのお料理のイメージ。
プレートにカレーをかけて、混ぜて食べてもそのままでもお好みでね♪
お肉、やわらか~。カレーも辛すぎずマイルド。
しかも、写真だとわからないけどこれ、けっこうな量なんですよ。
そして、食後。
スリランカと言えばセイロンティー。
紅茶がセットについて、なんと。ジャスト1,000円でした。
タクシー代より安かった〜
滞在は小一時間でしたが、良心的なお店でいい時間を過ごせました。
良心的と言えば、
「駅からどうやってきましたか?」
と、聞かれ「バスがわからなかったので、タクシーで。」と言ったらなんと!
「えー!タクシー?高かったでしょう。もしよければ帰り、私が駅まで車で送りますよ」と、足利駅まで送っていただき、恐縮です。
車の中で「自由に言いたいことが言える日本は、いいですよね」とポツリ。
スリランカでもつい何日か前に反政府デモが起きたばかり。情勢は不安定だ。
1冊の本からずいぶん飛躍してしまったけれど、大好きな海外の街歩きができない今、思いきってひとり旅を再開してよかった。
やっぱり旅は素敵な出会いがあるし、なんだかいい1日になったな。