数日前のラジオで、あるパーソナリティが
「年が明けてまだ数日しか経っていないのに、色々なことがありすぎて年末年始が遠い昔のような感じがしませんか?」
と、言っていた。
なるほど、ほんとそうだな・・・私もそんな感じがする。
1年に1回、私の実家で母親やふたりの弟家族、総勢10人ほどで食卓を囲むのがお正月恒例なのだが、すごいのは成人でノンアルコールが皆無。(≒大人全員が酒飲み)
楽しさもたくさんあれど、誰かが酔った勢いでNGワード(例えば離婚元妻・左遷・借金・元カレ元カノの話題など)をついつい口走ってしまって、暗雲立ちこめたりもする。
ちょっと飛躍しすぎかもしれないけれど、年末年始に親族内でのいさかいや事件が多いのは、日常そうそうない親族の集まりで、だれかが禁句をつい言ってしまったことからとかも、ありそうだな~と思った。(あくまでも持論ですが)
そういう、夫婦や家族の気まずさ。
まるで現実に遭遇することのように、その気まずさをよ~く切りとっている韓国の人間ドラマ、
『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』を年明けから再視聴中。
日曜の昼間また私、ひとりで泣いている。
主人公ヒロインが、全16話に渡ってほぼ笑わない。
重すぎて暗すぎて、さらにつらすぎて、第2話で見るのをやめてしまったという人もたくさんいるというこのドラマを、何故新年の幕開けに選んだか。
それは昨年末、突然とびこんできた悲しいニュース、イ・ソンギュンさんの訃報。
こんなことを書いてしまうと誤解もあるかと思うけれど、私はイ・ソンギュン氏の大ファンだったとか特別ひいきに思っていたわけでもなく、映画「パラサイト」で世界的にも話題になっていた時も、まあ、あとで観ればいいか~ぐらいだったのだけれど、
この『マイ・ディア・ミスター』のドラマのパク・ドンフン役が人間くさくて大好きで。
こんなすごい俳優さんが韓国にもいるんだ!と、2年前にも記事を書いた。
人間の弱さ、脆さ、危うさ、そして強さも。
このドラマで教えられたことが多い。
ドラマを再視聴していくにつれ、どんどん喪失感が大きくなっていく半面、この作品であの優しいまなざしと、独特の低い声にいつでも会えるのがせめてもの救いだ。
これから最終話。
すべて問題が解決しドンフンが慟哭するシーンに、一緒に涙を流して追悼しよう。
そしてこのエンディングの笑顔に、私もサヨナラとありがとうを言おう。
「縁とはとても不思議でとても尊い。
だから自分が幸せになることで恩返ししなさいよ。」
イ・ソンギュン氏よ、永遠なれ。