旅ゆけば~よろずな diary~

旅の記録と日々のあれこれを綴った日記です。

「ナゼそこ?」的な番組に、自分の人生の転機がひとつのSOSと一杯のカレーうどんだったことを発見した・・・お話。

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気がつけば4月になり家のまわりには小さな花が咲いて、そこだけはいつもと変わらない春がある。

いつもと違うことといえば、見えないウイルスの猛威を警戒し相変わらず粛々と日常生活を送っていて、旅とお出かけ、人とふれあう事が大好きな私にとっては我慢や辛抱の時でもある。

 

それでも私の仕事はカテゴリーでいうと「教育」なので、学校が休校だとむしろ忙しくなって、それはそれでありがたかった。

あと、読みたい本もたくさん読めたなぁ。 

 

 

誓約 (幻冬舎文庫)

誓約 (幻冬舎文庫)

  • 作者:薬丸 岳
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: 文庫
 

 

i (ポプラ文庫)

i (ポプラ文庫)

 

 

変わったことと言えば、夜テレビを見るようになったこと。

しかも、コロナ関連のニュースではなく、ドラマでもない。

 

「家ついて行ってイイですか?」とか「ポツンと一軒家」とか。

あと「ナゼそこ?」的ないわゆる一般人をたずねてその暮らしにせまるもの・・・

 

そういうたぐいの番組のCMの前の「順風満帆だった生活が一変、その裏には人生ドラマが!」「明るい性格の裏に壮絶な過去が!」という前振りに、ついつい最後まで観てしまう。

出会いや別れ、事故や病気、災害、倒産、解雇など、人には思ってもみなかった人生の転機や、想像もつかなかった未来があるものだなぁと思う。

 

そして現在50歳を少し超えた自分には、そんな、思ってもみなかった人生の転機や想像もつかなかった未来があったかなぁ・・と、ふと考えた。

 

テレビに出てきた人のように、こんな人生を変えるような出来事あったかな?

ないよなぁ。ないよなぁ。

 

いや、待てよ、ある!

あるというか、その出来事があったゆえのいまの暮らしじゃないのか?

 

そうだ。私の人生の転機は 

結婚 だ。

 

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ここから自分史なのか、ただの、のろけ話なのか・・よくわからなくなってしまいそうです・・・

(旅ブログの旅ネタがなくてという言い訳💦)

 

さかのぼること30年前。

 

私の若かりし頃は、父親ゆずりのいわゆる仕事人間。

夫のいまの歳で亡くなった父の口癖が「働かざる者食うべからず」だった。

 

会社では20代後半で初の女性役職者になり、銀座に月2回会議に出向く。

いまだったら問題になってしまいそうだけれど15時間勤務もざらな毎日で、年上の男性が部下にいたこともあった。

 

そんなスキもないお局キャリアウーマンだったからか、結婚にも全く縁がない。

・・・というか、本気で「人生の墓場」だと思っていたし、長くお付き合いしていた彼も私に役職がついてドン引きしていたように思う。

 

そういう20代、30代だったので、結局、体を壊し40歳の市の検診で血圧が200近くまで上がっていたことがわかって退職を決意。

その時は少し休んで転職なんてすぐできるだろうと思っていたのですが・・・・←甘かった。

 

ある日、頭が痛くてベッドから起き上がれなくて心細くなり3か月会っていなかった彼に近況と、今の状態をメールで伝える。

 

数日経って来たその返事が「もう俺には関係ない。」

長すぎた春どころか、とっくに春も終わっていた。

 

仕事もなくなって、恋も終わってしまった。体もおかしくなった。

 

実家の母や同居している義妹が「お姉ちゃん、帰ってきたらいいじゃない?」と言ってくれたけれど、そこでも長女の意地やへんなプライドが邪魔をする。

 

なんとか退職金や貯金で生活しながら新しい仕事を探してみるけど、40過ぎの独身女。正社員は、まず年齢でふるいから落ちてしまう。

あるところは、求人の問い合わせの電話をしただけで「失礼ですがご年齢は?」と聞かれた。

 

仕方ない。正社員がダメなら派遣会社に登録して働きながら考えよう。

そう思って派遣会社から派遣されある職場で働き始めて1ヵ月。

 

血圧が上がって「しばらく休みます」と、行ってなかった地域のスポーツ施設の仲間のおばちゃんから「みんな心配しているよ。体はどう?」と連絡があったので、体のこと、仕事のことなどをお伝えした。

 

その週の土曜日の夜、めずらしく玄関のチャイムがなる。

 

ピンポーン♪

 

「はい。」

「○○デリバリーサービスです。カレーを届けにまいりました。」

「え??○○さん?どうしたんですか?いま、開けます。」

 

声に聞き覚えがあったので開けると、その地域のスポーツ施設の仲間のひとり、いつも作業服で来るおばちゃんに大人気の年齢不詳ガテン系職人男性がカレーを鍋のまま持ってきた。

(※この男性、前にアパートの設備の不具合をなおしてもらったことがあるので家を知っています笑)

 

「なんか、体調悪くて仕事も辞めちゃったそうじゃないですか。来ないから心配してたんですよ。自分、カレー作ったんで食べてください。あ、めんつゆとうどんがあればカレーうどんになりますから。」

 

「あの・・・・めんつゆもうどんもあるけど、ひとまず上がっていきませんか?」

 

「え?いいんですか?」

 

何この人。

カレー鍋ごと車で持ってきてくれたんだ。

 

いままでの私だったら、家まで押しかけてきて気持ち悪ッ!とか思っていたと思う。

その時の私は弱っていて、人寂しかったのだろう。

不思議と、知り合いとはいえ一人暮らしの家に男性を入れて、しかもその男性が作ったカレーにめんつゆとうどんを入れていっしょに食べた。

 

今でもあの時のカレーうどんの味は忘れられない。

なんかいいな。こういうの心地よい。

 

実質、その日がふたりのお見合いのような形になってしまった。

「実は、去年の年末はひとりでリスボン行っちゃってました。」

「リスボンって・・・まさかポルトガルの?」

終わってしまった彼とは職業も趣味嗜好も全く違っていたので、かなりかみ合わない会話だった。でもなんだか元気が出る。

 

しかも絶対、所帯持ってるお父さんだと思ってた年齢不詳なその男性は私より7つ上でしかも独身。

50歳に手が届くガテン系職人は、現場仕事は男だらけでお嫁さん探しもなかなか苦戦していたらしいこともわかった。

 

あ、もう、ばれちゃったと思いますが、そのカレーデリバリーサービスのオッサン(!)が今の私の夫です。

 

あくる日、「カレーの鍋返却(カエルの絵文字)は、いつでもOK。また、ヘルプはいつでもクリックしてくださいね」とショートメールが。

カエルの絵文字使う男の人なんて、それまでいやだなぁと思ってきたけど・・

※当時のガラケー。メアドも交換してなかった。

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もう以前の自分とは違った。

迷わず、ヘルプをクリック。

「こんな私ですが、もらってもらえますか?」

 

派遣会社と勤務先に電話して、ありえない理由「急に結婚が決まったので辞めさせて下さい」と、俗にいうドロン。上司だった頃なら「はぁ?日本語しゃべってくださーい」のレベルだ。

 

そのあと荷物をまとめてアパートを引き払い、いまの家に運んだ。

 

そして現在に至る。

 

よく交際ゼロ日婚とかスピード婚とか話題になるけれど、そんな言葉に全く縁がなかった自分が、わずか2か月足らずで婚姻届を出すという・・・・・

 

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人生ってわからない。

時にはプライドを捨ててSOSも出していいんだ。

ちょっとした出来事、タイミングがもしかしたら未来を変えるかもしれない。

 

だって、カレーうどんだよ!!!(失笑)

 

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最後までこんな長文の自分語りにお付き合いいただき、ありがとうございました☺