母がいよいよ歩行困難になった。
今月末、80歳手前で人工股関節を入れる手術をする。
もともと先天性股関節脱臼で、楽しい盛りの小学生の大半を入退院を繰り返していた障がい者手帳を持つ母。
つい2週間前まで杖歩行やシニアカーに乗って自分なりのシニア生活を楽しんでいた。
アレクサとお友だち。タブレットで調べものもするし、アマプラも観る。
私の好奇心旺盛なところや行動力は、まちがいなく母譲りだと思う。
そんな母が、さすがに歩けなくなってしょんぼりと言う。
「お医者さんにずっとすすめられていた股関節の手術を相談しに一緒に行ってくれる?」
私はホッとした。
よく「喪失感」からうつ病になるという話は聞くけれど、この「喪失感」とか「喪失体験」という言葉は、けっこう奥深い。
大切な誰かを亡くした「喪失感」のほかにも例えば、
「日常」「楽しみ」「役割」を奪われた、または失った。
そういうことも「喪失感」となり、心身のバランスを崩しやがてうつ病にもなりうる。
母のように、長いこと主婦でいた高齢者が歩けなくなり買い物に行けなくなったら、そして趣味の園芸もできず近所へのお出かけができなくなったら、役割も失い日常のバランスも崩れ「喪失感」につながってしまうのではと想像がつく。
だから母の前向きの気持ちにエールを送り、手術の相談のサポートを全力ですることに決めた。
車椅子を借りて、名医を受診。
「自分が歩けるようになるのか」という不安で頭の中がいっぱいの母。
こういう自分のことしか考えられない時は、気を紛らわす話をするのはかえって良くない。
「そうだよね、だから先生に診てもらって不安を1つずつ減らしに来たんでしょ」
あなたに全力で寄り添うよぉ〜のオーラを出すのがいちばん(笑)
そんな会話を聞いていたのか隣に座っていた白髪の御婦人が、
「奥さん、やさしい娘さんがいていいわね〜。私なんか娘に怒られてばっかり。付き添ってもくれないのよ」
と、褒めてくれたけど♡
御婦人!
違うんです。
やさしい娘じゃないんです。
治るのか、ずっとこのままだったらどうしようか、という不安が頭いっぱいだったかつての自分の経験があるから。
何回もドクターショッピングをし、「死」まで考えても誰にも言えなかったことを図星で当てたその張本人がいま逆の立場だから。
あの時、思った。
「母は偉大だ。」
だから、その母に敬愛をいま感じている。
※写真は今回すべてCanva から借用しました(*^^)v
「All You Need Is Love」
ふと、ビートルズの曲がラジオから流れた。
愛こそすべてなんて、こっ恥ずかしいけど・・・
韓国語だったら言えるかな(笑)
「オンマ~、サランヘ」
いま自分にできることをする。
it’s easy !
簡単なことさ。