ゴールデンウィーク、いや、StayHome週間の後半4日間。
相変わらず本を読むことしかなかった私は、ちょいと本棚を整理整頓しようとしてみたのです。(←暇だったから?)
で、いいもの発見しちゃいました。
それが・・・・
沢木耕太郎の深夜特急 のシリーズ。
そうだ、これあったんだっけ!
この『深夜特急』こそ、私のような旅好き、本好き、好奇心旺盛な50代おばちゃんキャラを育ててくれた本、いや、あらゆる旅人の憧れの本ではなかろうか。
たぶん、初めて読んだのは図書館で借りたハードカバー。
1巻2巻じゃなくて第一便、二便という書き方してた記憶がある。
タイトルからして鉄道で旅するかと思いきや、実は乗り合いバスでのこだわりの旅の記録であることがおもしろい。
これを今、この状況下で見つけたことに拍手パチパチーーーっ!
さっそく再読。
やっぱり1の香港・マカオは面白すぎて、すぐ読んでしまった。
マカオのカジノの話は、ギャンブラーでもなんでもないこっちまでドキドキしてしまう。
カジノは見学だけだった小心者の自分だけど、マカオの街歩きは楽しかったな。
2巻目はマレー半島・シンガポール。
これもね、マラッカに憧れてマレー鉄道で行ったなー 。
新婚旅行だからと無理やり夫くんをローカル電車乗せちゃったなー。
(だんだん過去記事の宣伝みたいになってきちゃいましたが・・)
マカオといい、マラッカといい、そしてラストはユーラシアの最果てで・・・
深夜特急ではポルトガルがけっこうポイントになっているのは再読して気がついた。
沢木さんもポルトガル旅情がお好きなのだろうか。
ポルトガルのリスボンは私のひとり旅のきっかけになった大切な場所。
深夜特急を再読してると、かつての自分の旅を再現してるようで、俄然、おうち時間が楽しくなる。
そして3巻のインド・ネパール。これは雰囲気が全く変わる。
いちばんディープであり、私も体験したことのない世界。
この3巻は、きっとバックパッカーのバイブルなのかも・・と思ったりもする。
4巻は、いよいよシルクロード。
本の中の地図には、昨年旅したウズベキスタンがソビエト連邦になっていて、それも時代を物語っていて面白かった。
5はトルコ・ギリシャ・地中海。
6は南ヨーロッパ・ロンドン。
だんだんと手持ちのお金が少ない若者が、貧乏旅行をしにくい地域になってゆく。
この深夜特急がとにかくおもしろいのは、旅の楽しさとか、ワクワクする気持ちや美しい風景の描写よりも、旅の危険さ怖さを書いてるほうが断然多いところ。
現地の人のあたたかさと同じくらい、だまされたりぼられたりすることもたくさん書かれている。
たぶんここに、多くの老若男女の読者を引っ張る力があるのではと思う。
番外編として
旅する力 深夜特急ノート
には、沢木さんからのこんな言葉が。
もし、この本を読んで旅に出たくなった人がいたら、そう、私も友情をもってささやかな挨拶を送りたい。
恐れずに。
しかし、気をつけて。
恐れずに。
しかし、気をつけて。
この短い沢木さんからのメッセージこそ、すごくすごく異国へ送り出す人への愛情ある言葉だなぁと思う。
いま私の好奇心の箱は、どこかへしまってしばらく蓋を閉じてしまっているけれど、こんな時にいい時間を過ごせた。
そして諸々のプロフィールにこう書き加えた。
「愛読書は沢木耕太郎の深夜特急」
だって、インドア&アウトドアが共存する自分をあらわす最強のアイテムだと思うから・・・・・
お題「#おうち時間」