先月末、夫が会社を退職した。
60歳を過ぎたし、世間では定年退職っていうお年頃でもあるのだけれど、夫の場合ちょっと事情がちがう。
夫は会社員といっても、電気工事士。
いわゆる現場職人、ガテン系である。
会社の社長が80歳を超え、息子さんは障がい者のため跡継ぎはなく、そろそろ会社をたたもうと数年前からそんな話があった。
若い人はなかなか続かず、会社では最年少だった夫が60歳を迎えた機に社長は会社をたたんだそうだ。
私も保険や年金など扶養になっていたし、夫が60歳になるまで会社を続けてくれたのは、とてもありがたかった。
でも、今後どうするの??
再就職?アルバイト?
シルバー人材センターって感じでもないだろうし。
で、突然言われた。
『俺、一人親方になるからね』と。
『一人親方』って、教育現場で用務員のような仕事をしている私からすると(言葉のイメージがね)実はめちゃくちゃカッコいい響きなんですよ。
よくよく考えたら・・・・・
私は不思議と、ガテン系職人には縁があるのだ。
まず亡くなった父。父の跡を継いで鍛冶屋になった弟。
父の時代は従業員を雇っていたけど、弟はまさに現在一人親方である。
そして、夫。
まさか、結婚する人も職人だなんて。
私が昔、楽器の販売をしていてちょうど売上に行き詰まって悩んでいた時に、なにかの用事があって父の建築現場に届け物をしに行ったことがある。
まさに作業服の職人さんだらけの男の現場。(今では女性の方も多いというが)
クレーンやユンボのガタガタゴトゴトいってる中で、
「何やってんだよ!そこじゃないよ!」と怒号がとぶ。
わ、わ、わーー。私の仕事の悩みがちっぽけに感じた。
あの日から、父をリスペクトする気持ちがさらに強くなった。
そして、もし私が男性に生まれていたらと思うと・・・・
父の跡を継いだ現在一人親方の弟にもリスペクト。
10kg以上の道具を腰につけ、狭い場所や暑さ寒さ、過酷な環境で毎日作業している夫へも、もちろん 最大級リスペクト✨
でもね、このたび夫が60歳・会社を退職・・・って聞いた時の最初の私のイメージは、
数年前に観た映画のコレだったんですよ・・・(あくまで、イメージですからね)
ゴメン。
あなたは、これからなんだね。
一人親方になる!って言って、今朝も屋号を考えたり名刺やハンコを作ったり、帳簿の準備をしている姿がキラキラ輝いていて、なんだか清々しくて。
だから、花束で「あなた、今までおつかれさまでした。」なんていう涙々の盛大なセレモニーはやめた。
大好きな日本酒とお寿司の折りでささやかな乾杯!
(少し、奮発しました(∀`*ゞ)エヘヘ)
一人親方の妻、さあ何をどう手伝えば妻らしい??
それはまったくわからない今の自分だけれど・・・
夫にはこれからは自分のペースで仕事をして、車いじりや好きなことをとことんやって欲しいと思った今日この頃なのです。