(記事とは関係ないんですが、職場の窓からみえる散り際の桜があまりにも綺麗で♪ )
ようやく暖かくなってきましたね~。
杖歩行の70代の母の、お出かけ送迎の依頼の頻度も多くなってきました。
今日は、昨年冬に急逝された昔の職場友達のお仏前にお線香をあげたいとのこと。
80歳に手が届くご主人から喪中ハガキをいただいていて、暖かくなったら伺おう・・と思っていたようです。
私の父はすでに他界していますが、父と母は職場結婚。
そのお友達のご夫婦も同じ会社の同僚で、昭和30年代後半の話になりますが独身時代は4人でよくダブルデートをしたり、ご主人と父は会社の野球部でピッチャーとキャッチャーの仲だったそうです。
のちに父は会社を辞め脱サラして自営業をはじめるのですが、結婚の時期もほとんど一緒で、私たち子供が産まれてからも当時のお互いの家を行き来していたんだとか。
(私は小さい頃だったので覚えていませんでしたが)
車で1時間、母と一緒にハガキの住所の場所へ。
「白い家だからすぐわかるよ」と教えてくれたけれど建て直しした家は白い家というだけだけでなく、お城のような立派なおうちだったので、すぐわかりました。
イメージは、旧岩崎邸のような洋館!いや、おどろいた~
お庭はバラが似合うような庭園のよう。
ところどころに小便小僧や天使が飾られている。
母も「昔からお庭の手入れが好きだったけど・・」と、びっくり。
母と元同僚であるご主人は、父が亡くなった時以来に会うので20年ぶり。お互いつれあいを失くして70代になって。
私にはわからない、湧き出る感情があるのだろうと思う。
「お互い歳とったな。まあ、中入って線香あげてやってよ」
と、その洋館のようなおうちに招き入れていただき、ふたたび驚いた。
お部屋は西洋家具で統一されていて、ガラスの戸棚にはベネチアングラスや江戸切子をはじめ、世界各国で買ってきた民芸品や日本の有名な陶芸家の作品、古伊万里などでぎっしり。まるで博物館のようでした。
晩年は夫婦ふたりで国内、海外へ旅行にでかけては記念にそれらをコレクションするのが亡くなった奥様の楽しみだったようです。
お仏前にお線香をあげることができ、ご主人がお茶を入れてくれました。
私には「お父さんと俺は、会社時代365日飲み歩いてたんだぜ」と楽しい武勇伝を、(そうだろう、娘の酒飲み好きは父の遺伝子だものね・笑)
母には「今から一緒になるか?」「早く逝ったふたりに怒られちまうな」と冗談も混ぜて、「やっぱり、こうやって話をすると気も晴れるな」
と少しだけ笑顔になりました。
昨年、秋に体調が悪くなり2ヶ月で逝ってしまった奥様。
「昼間は子供や孫が来てくれるからまだいいんだけど、夜は長いよ。」
奥様のコレクションに囲まれていると、なおさら楽しかった場面場面を思い出してさびしくなり、だからといって片付けるのもどうかと途方に暮れるという・・。
そして私がお部屋の奥様のコレクションをひとつひとつ見せていただき、「ポルトガルまで行かれたんですか?」などと、自分も外国を旅することが好きなことを話すと、
「そうか、お嬢さん(と呼んでもらう歳ではないけど)も、海外旅行好きなのか。それなら、たくさん写真撮っとけ。記念のものを買ってくるより顔が写っている写真がいちばんだよ。見たくなった時に見ればいいんだからな。」とおっしゃって、その言葉が・・今の自分にとっても響きました。
長い間暮らしていた人との突然の別れ。
思い出いっぱいのお部屋にいるご主人の気持ちは計り知れない。
そうだよな・・。
時間が必要なんだ。
写真ならば、自分が見たくなった時にアルバムをめくって、元気に外国を飛び回っていた頃の奥様の笑顔に逢える。
いつでもみれるよう1枚の写真をお守りとして持ち歩くこともできる。
最近はブログ用に撮る写真がほとんどで、顔が入っている写真はあまり撮っていなかったし、プリントする癖もなくなりつつある。
これから旅に出かけた時は、お互いの顔が入った写真や、たまには照れくさいけどふたり並んで写真を撮ってもらうことにしよう。
50代では終活には早いと思いながら、なんだか人生の先輩に究極の断捨離の教えをいただいたような思いがあり、記事にしてみました。
最後までお読みいただきありがとうございます(^^)/