いつも読む本と言えば、旅に関する本がほとんどという私。
たかのてるこさんとか、沢木耕太郎さんの深夜特急シリーズとか(^^)
でも最近、とくにこの年齢になってから、はまったジャンルがあります。
ジャンルというか、心理系。
もっと細かくいうと、女子の30代~40代、既婚・未婚なども含めた微妙な人間関係ですかね。
(かなり、限定だな・・・)
きっかけは、昨年たまたま読んだこちらの一冊。
ナイルパーチの女子会 柚木麻子
ナイルパーチが魚だってことも、柚木麻子さんが他にどんな作品を書いているかも知らずに、本当にたまたま新聞の新刊紹介で見かけた1冊だったんです。
ただ「女子会」って言葉がキャッチーだったのかなぁ。
ちょっぴり内容のネタバレしちゃいますが・・。
主婦ブロガー祥子と容姿端麗で独身OL栄利子。
共通して友達無し。
外ではバリバリ働く、誰が見てもかっこいい江利子が、おうちではひとりさみしく人のブログをのぞく毎日。
ある時から、平凡な主婦である祥子の書く日記のようなブログのファンになり、やがて現実の知り合いになり、友だちになり、だんだんエスカレートしてストーキングするようになる・・・
という簡単に書くとこういう話・・・。
でもそれが、コワい!
何がコワいって、
【ちょっとしたことで、自分もどちらかになっちゃいそうな危うさ】
著者の柚木さんは、そのことについてこう書かれてます。
ちょっとしたボタンの掛け違いで、すごくおかしくなることって誰にでもあると思います。
友達がいないとか、友達をうまく作れないって言う人にいっぱい会ってみて分かったんですけど、そういう人達ってすごく真面目だから、「友達にはこれだけしてあげたい」とか「こういう関係じゃないと友達とはいえない」っていう自分に嘘が付けない人が多いと思いました。今回は、こういう人達の気持ちを考えて物語を書きました。
読み進めていくうちに、ホラーのような・・・
読むのがコワいのに、でも早く読みたいというへんな感覚になりました。
ご興味がある方はぜひ。
そして、ナイルパーチの女子会 をすでに読んでいて、この世界が好き!
という私のような奇特な方におススメなのが、
坂の途中の家 角田光代
こちらは、ある日突然、平凡な主婦里沙子が裁判員に選出されてしまい、ある事件に裁判員として深く関わることに。
その事件に関わることによって、今まで気がつかなかった自分の心の闇に向き合うことになるというストーリーなんですが、これもやはりコワかった。
ナイルパーチの女子会の時と同じように、重くてしんどくて疲れるんだけど早く読みたい!という、不思議な感覚。
しかも、こんどは夫婦関係や育児も入ってくるから、ますます重かったんですよね。
でも・・・考えさせられた。
こういう人近くにいそうだな・・いや自分もなりうる??とも思った。
ふたつは、ストーリーも主人公の設定も環境もまったく違いましたが、
私的には共通している点がありました。
それは、平凡な主婦や普通のOLがある時突然に誰もがこうなりうる・・・と思ってしまう点と、
30代、40代の女子がかかえている心の闇。
それは、幼少期の家庭環境や、母親との関係なども含まれますが・・。
こういう本を好んでいる私は、それこそ、ごくごく普通の働く主婦。
時々外国に行ったり冒険はするけど、決して日常の生活に刺激を求めているわけでもなく、母親との関係も普通。父親は他界してますが、やや破天荒だったかな( 一一)
でも夫との日々の暮らしに特に孤独を感じて悩んでいるというわけでもない。
それなのに、すごく引き込まれてしまう『日常の危うさ』に。
だから、本は面白いんですよね。
2冊とも女子が主人公ですが、あえて男子にも、いえ男子こそ読んでほしいな・・なんて思っています。
女子ってコワいのよ~ なんて言いません。
でも、女子ってこんなこと考えるのよっていうのは、あるかもな~。
女子さんも男子さんも、機会がありましたらぜひ。
あっ!
2冊とも旅行には絶対おススメしません。かなり、疲れますから(笑)
書評ってむずかしいけど書いてみました。
長文最後までお読みいただきありがとうございます(^^)/
** こちらの本もおススメです♪ **