ベネチア (トリップアドバイザー提供)
忘れられない異国の旅での、あたたかい親切やヘルプ。
私が、かれこれ二十数年前に旅の達人の先輩ふたりに便乗してイタリア・ベネチアに連れて行ってもらったときのお話をしています。
空港の両替所が深夜で閉まっていて、途方に暮れている日本円しか持っていない、うら若き日本人乙女、3人組(あの頃はね)。
そんな時、声をかけてくれた欧米人ご夫婦。
「私たちに任せなさい」
と、まずは空港からバス代3人分を一緒に払ってくれて、船着き場まで行ってくれました。
せめて日本円でも・・。と思ったのですが
「日本円は、もらっても使えないからなぁ~ワッハッハ」と受け取ってもらえません。そりゃそうだ。
そして、船着き場で私たちの泊まるホテルを聞かれ、当時日本でもまだめずらしかった携帯電話で、
「いまから予約しているジャパニーズ女子3人が向かうよ~。彼女たち、日本円しか持ってないからまずは両替してやって」
と電話を1本入れてくれて、さらに船漕ぎのおじさんに「この子たちを途中で降ろしてから、〇〇ホテルまで。」と船代までもお世話になり、無事わたしたちはホテルへチェックインできました。
ベネチア (トリップアドバイザー提供)
この、〇〇ホテル。
ベネチアでは当時、1等地に位置する超有名ホテル。
先輩ひとりがホテル名を聞き逃さなかった。
「名前だけ聞けば、明日ホテルに返しに行けるね」と、目くばせ。
別れ際にどうしてもお名前だけと、伺っておいた。
マイネーム イズ ウッドマン。
Mr.WOODMAN??
YES, WOODMAN.
あくる日、3人で知恵をしぼって英語で手紙を書きました。
そして、気持ちでリラ紙幣を少しと、たまたま先輩が持っていた富士山の写真のテレフォンカード。
これらを、ホテルの部屋にある封筒に入れて、ウッドマン夫妻が泊まっている有名ホテルのフロントへたずねました。
フロントのスタッフに事情を話すと・・。
「たしかにウッドマン氏は、こちらにお泊りで、いまお出かけになってますがメッセージを預かっています。もしジャパニーズ女子たちがお金を持って訪ねてきたら、お金は受け取らないでって。だからお手紙だけお渡しするわね。」
ウッドマン夫妻・・
なんて・・紳士&淑女なの・・(涙)
旅の出会いは、ほんとうに一期一会。
手紙に書いたとおり、あの時の親切は、いつまでも忘れません。
たまに忘れかけても、旅に出るとまた思い出します。
なるべく現地通貨は少額でも日本から準備することも学んだし(笑)
そういう思い出があったから、いまだに旅を続けています。
神対応なんて漢字3文字じゃ、全然足りなかった・・・。
あの時はありがとう。
なんだかベネチアに、もう一度行ってみたくなっちゃったな(^^)/